鬼怒川決壊、県も市も住民も”有事はない”と思い込んでいたか 

 記録的な豪雨で茨城県内各地が水害に見舞われ、常総市では鬼怒川の堤防が決壊してから17日で1週間たった。
 鬼怒川の堤防が決壊した常総市では、40平方キロの面積が浸水した。浸水域が南へ広がることは、ハザードマップで予測されていたにもかかわらず、多くの人が逃げ遅れた。「ここまでこない」との思い込みが非難遅れにつながったのだろうが、鬼怒川の浸水域はハザードマップの予測とほぼ一致していた。 

 常総市は、下記のように「常総市土砂災害ハザードマップ」を整備していた。
 http://www.city.joso.lg.jp/jumin/anzen/bosai/1419318827113.html 
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常総市土砂災害ハザードマップ 
 作成の経緯
 近年、台風や集中豪雨により全国各地で毎年約1,000件の土砂災害が発生し、多くの人命が失われています。 

 このため「土砂災害防止法」が平成13年4月に施行され、市町村は土砂災害警戒区域等が指定された区域において、土砂災害を防止するために必要な緊急避難体制に関する事項を地域防災計画に定めることとなっています。 

常総市土砂災害ハザードマップ(PDF形式)
 平成22年度に茨城県による土砂災害警戒区域の調査を行い、土砂災害警戒区域等の指定が行われました。
市では、その結果に基づいて土砂災害ハザードマップを作成しています。 

 ハザードマップは指定された区域ごとに分かれておりますので、お住まいの地区に応じてお使いください。
 1 大輪町築地(PDF:1MB)
 2 豊岡町3(PDF:1,021.1KB)
 3 豊岡町1/豊岡町2(PDF:1MB)
 4 坂手町(PDF:1MB)
 5 大塚戸町篠山(PDF:1.2MB)
 6 大塚戸1/大塚戸2/菅生町北山(PDF:1.2MB)
 7 菅生町向地(PDF:1,014.2KB)
 8 菅生町樽井/菅生町浅間山(PDF:1MB)
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 また、茨城県と常総市は連絡不足で不明者数をめぐり混乱を招き、安否不明者の情報の取り扱いと、災害対応に当たる市や県、県警の情報共有のあり方をめぐって大きな課題を残した。

 第三者提供の制限に関しては個人情報保護法によると、
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[第23条]
個人情報取扱事業者は、以下の場合を除いては、あらかじめ本人の同意を得なければ、個人データを第三者に提供してはならない。
・法令に基づく場合。(例:国勢調査などの統計調査等)
・人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。(例:事故の際の安否情報など)
・公衆衛生の向上または児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。(例:児童虐待情報など)
 国の機関若しくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要があって、本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。(例:犯罪捜査の協力など)
 ただし、必ずしも本人の同意を得なくとも、以下の場合は第三者への提供ができるものと規定されている。(以下、略)
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 自治体は個人情報保護法に基づき、緊急時に生命、」財産などの保護のために必要な場合は、本人の同意なしに個人情報を第三者に提供できるので、今回のように被害範囲が広い災害では安否確認を急ぐために不明者の氏名を公表すれば、警察や消防は、効率的に捜索できたのではないか。普段、個人情報を“隠す”ことのみに関心をとられ、“有事がある”ことを考えてこなかったのだろう。  

 農家の受けた被害も甚大だ。たわわに実った稲穂が、水につかったり、流れてきた水で押し倒された。茨城県内は主力のコシヒカリが収穫期を迎え、被災地では刈り取りを終えていない農家も少なくない。収穫したばかりの米も農業機械も田んぼもだめになった。農業災害補償法によると米の被害について「共済事故:風水害、干害、冷害、雪害その他気象上の原因(地震及び噴火を含む。)による災害、火災、病虫害及び鳥獣害」となっており、対象となるのは「共済目的:水稲、麦その他政令で指定する食糧農作物」でる。“水稲”は補償されるが、収穫されたものは補償の対象外である。
 被災地は広い範囲にわたっていた水も引き始め、生活再建に向けて動き出したが、生活再建、課題が山積している。

 茨城県および常総市のHPから常総市の復旧状況を見てみた。

下記は、東日本豪雨に伴う常総市の復旧状況を茨城県及び常総市のHPからの転載 

[茨城県] http://www.pref.ibaraki.jp/doboku/doiji/doro/00topic/topic1505.html 
●災害復旧のため、広域的な迂回にご協力をお願いします(9月16日20時00分掲載) 

台風18号等の影響により、国道294号や国道354号などの常総市内の道路については、交通規制や災害復旧車両等の流入に伴い、交通混雑が発生しております。
常総市内の復旧活動を円滑に行うため、市内に用事がない車両については、広域的な迂回のご協力をお願いいたします。 

 混雑区間 常総市内の主要道路
  迂回例 
  ・東西方面 国道125号など
  ・南北方面 新4号バイパスなど

 広域的な迂回について  
 http://www.pref.ibaraki.jp/doboku/doiji/doro/00topic/documents/ukai190916.pdf
 00topic/documents/ukai190916.pdf
          

 

[常総市] http://www.city.joso.lg.jp
●常総市内道路状況図(9月17日午後5時現在)
災害の影響で、通行可能な道路にも、陥没やゴミ、汚泥などがある場合があります。
通行には、十分ご注意ください。
 ※近隣道路は渋滞が多数発生しています。
 http://www.city.joso.lg.jp/ikkrwebBrowse/material/files/group/2/15091811douro.pdf
   


●災害の復旧状況 ライフライン   


 常総市の被害状況地図 
   http://map04.ecom-plat.jp/map/map/?cid=2&gid=0&mid=11   

 

[常総市]
●スマホ・携帯電話の充電場所の設置について
市役所本庁舎1階に、スマホ・携帯電話の充電場所を設置しております。
ご自由にご利用ください。 

●常総市からのお知らせ
被災状況の記録について(9月15日)
今後各種証明、保険などで必要となる場合がありますので、被災した家・車などの被災状況やどこまで水につかったかなど分かるように、記録(写真など)してください。 

[常総警察署]
●常総警察署から詐欺等注意のお知らせ
今回の災害被害を利用して、悪質業者が、家屋の修繕やがれき処分をするなどと言って、一般家庭や会社を訪問する恐れがあります。
悪質業者の被害にあわないためには
  ・訪問者の名前を確認し、名刺などをもらう
  ・その場ですぐ契約せず、まずは見積書を作らせる
  ・家族や消費者センターなどの公的機関に相談してから契約する  

[気象庁のHP]
 茨城県の天気予報 
 http://www.jma.go.jp/jp/yoho/314.html