御嶽山噴火から1年、筑波山は噴火しない山

御嶽山噴火から1
 死者58人、行方不明者5人を出し、戦後最悪の火山災害となった御嶽山(長野・岐阜県、3067m)の噴火から27日で1年。この間、各地で噴火が相次ぎ、日本が火山国であることを見せつけた。噴火は昼時の午前11時52分に起きた、しかも紅葉最盛期の晴天の土曜日。山頂付近には400人以上がいたとみられる。子供も日帰りできる人気の山は、一瞬にして地獄絵図となった。

 御嶽山の噴火以降も、全国で活発な火山活動が目立つ。5月に口永良部島が噴火し、8月に桜島(いずれも鹿児島県)で活動が活発化した際は住民が避難を強いられた。東日本でも6月に浅闇山(群馬・長野県)箱根(=神奈川・静岡県)で小規模噴火が発生した。

 狭い国土に、世界の火山の7%に当たる110火山が集まる火山国・日本にあって、「各地で噴火が続く現状は本来の姿」富士山も例外ではない。宝永大噴火(1707年)を最後に沈黙しているが、「いつ大噴火が起きてもおかしくない」と警戒する。
 登山ブームを背景に大勢のハイカーが火山に足を運ぶ。「退避施設や警報システムの整備は必要だが、まずは登山者自身が火山に潜む危険性を認識することが大事だ。」と登山家は指摘する。

       

 

筑波山は噴火しない山
 筑波山は二種類の岩石でできている。山頂部は、風化に強い斑れい岩。中腹から山麓は、風化に弱い花こう岩である。筑波山には恐竜がいた時代にマグマが固まってできた岩がゴロゴロしている。これらの礫には、筑波山周辺では見られない様々な種類の岩石が含まれている。筑波山は火山だと思っている人も多いようであるが、実は火山ではない。噴火はしないが、土砂災害には注意が必要である。

 霞ヶ浦は、かつては海であり、桜川は昔は大きな川だった。筑波山西麓の桜川河床では、今から2~3万年前にここを流れていた鬼怒川がもたらした、たくさんの礫が見られる。筑波山南麓の田井地区のつくば道は逆川がつくった扇状地と桜川(古鬼怒川)がつくった氾濫原の境界にあたる。間近に迫る筑波山の雄大な景色とのどかな田園風景のコントラスト、筑波山神社から北条を結ぶ「つくば道」で有名である。

 「大自然を身近に感じよう! 筑波山地域ジオパーク構想」

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