世界湖沼会議、茨城県内開催決定

橋本知事、2日の記者会見で発表

 茨城県は102日、2018年の「第十七回世界湖沼会議」の県内開催が決まったと発表した。国内での開催は4回目で、県内では1995年以来、23年ぶり2回目になる。世界湖沼会議は、研究者や行政、市民らが世界の湖沼で起きている環境問題や、その解決策を協議する。

 1984年に滋賀県が提唱して大津市で第一回会議を開催した「世界の湖沼環境の保全に関する国際会議」以来、世界各地で米国や中国など世界9カ国で開催されてきた。研究者・行政担当者・NGOや市民等が一同に集まり、世界の湖沼及び湖沼流域で起こっている多種多様な環境問題やそれらの解決に向けた取り組みについての議論や意見交換の場となっている。
 

・・・・・・・・・・・・・・・ 橋本知事定例記者会見における発言要旨 ・・・・・・・・・・・・・・・

                     平成27年10月2日(金曜日)
         ○世界湖沼会議の本県開催決定について 


日経(幹事社):幹事社の日経新聞です。まず,冒頭,知事のほうからご報告があるということでお願いします。

 

知事:お手元に資料が配布してありますが,第17回世界湖沼会議の(本県)開催が決定したところでありますので,ご報告申し上げたいと思います。

17回世界湖沼会議は平成30年に開催される予定となっておりますけれども,私ども国際湖沼環境委員会に応募しておりましたところ,先般,茨城に決まったという通知があったところでございます。

 平成7年に第6回会議を開催して以来23年ぶりの開催となってまいります。第6回会議以降,様々な取組みを本県としてもやってきているところでありますので,そうしたものを世界に発信する,例えば,霞ヶ浦環境科学センターもつくりましたが,そうしたことも,前回の会議の中で表明して作ったものでございます。

あるいは,世界でどんどん進んでいる知見というものを発表していただいて我々も勉強させていただく,さらには住民の方々,資料に書いてございます参加者数がありますが,茨城県で開催した平成7年の会議では,8,200人ということで,それまでとは格段に多い,20倍ぐらいの参加者になる会議であったわけであります。これはあえて私どもとして,一般市民に入ってもらうという方針を立てて実施した結果でございます。

 

 この開催にあたりまして,湖沼の浄化については研究者だけがやっているではなくて,実践ということが極めて大事であるから一般市民も巻き込んだ形でやろうと,一般市民に湖沼環境をよくするためにみんなが努力していかなくてはいけないとの思いを強くしていただこうということで開催したところであります。

 今回,平成30年の会議につきましては,今のところどのくらいの規模にするということは決めておりませんけれども,3千人を上回る規模,3,4千人ぐらいの規模にしていきたいなと思っているところでありますので,よろしくお願い申し上げたいと思います。以上です。

 

茨城:2回目ということでこの時期に県議会から要望があったり,土浦市の市民の方からもやってはどうかということなのですけれども,霞ヶ浦浄化,この2,3年は良い数字は出てますけれども,なかなか研究者泣かせの湖ということで,いろいろな部分で難しい湖だと言われています。改めて2回目を開催する意義をどう世界に発信していくかというのは,今,知事は現段階でどんなふうに考えていらっしゃいますか。

 

知事:冒頭申し上げましたように,我々,霞ヶ浦市民協会や霞ヶ浦問題協議会などからも強い要請を受けてきたところでありますけれども,それに加えて,我々自身としても,もう23年経つので,前回(第6回)の会議の結果というものが,どう施策に反映されているか,あるいは市民の活動につながってきているか,ということについて報告していきたいということが大きなものであります。一方で,まだまだ浄化の面では不十分な面もありますので,一般市民を巻き込んだ形での活動を展開していくきっかけにもしていきたいということもあります。そうしたことを含めて今回立候補させていただいたところであります。

 

茨城:開催は県が主催するという形でよろしいのでしょうか。

 

知事:ILEC(国際湖沼環境員会)との共催になってまいります。

 

茨城:現段階で,開催の費用等含めての課題と,成功に向けてどういう準備をしていくかということについて教えてください。

 

知事:今,予算規模等については具体的には持っておりません。

 どれだけの参加者数にするか,あるいはまた,特に海外からの参加者をどれくらいに想定するかによって予算規模が大分変わってまいります。

前回の場合は,できるだけ発展途上国の研究者の方々を茨城にお呼びして,いろいろ,こういう面での研究に参加して欲しいということで開催したものですから,こちらで費用を持って呼ぶ方が大分多かったのですが,今回,その辺をどうするかということも含めてこれから検討していきたいと思います。

 

茨城放送:参加する市町村の範囲ですとか,その辺もこれからという形になりましょうか。

 

知事:基本は前回と同じようになってくると思います。霞ヶ浦問題協議会というのが21市町村で構成されていますから,そのあたりが中心になってくるのかなと思います。       

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