地方創生のたの各都道府県からの要望が内閣府の地方創生本部に寄せられている。その中には、つくば市にある政府系研究機関をそれぞれの自治体に誘致する提案が認められる。つくば市に研究機関が設けられたのは、その前にあった首都機能の移転論が不可能であったがため研究機関に限定されたという経緯がある。 首都直下型地震などの大規模自然災害等有事対応の上からも、各地方自治体がそれぞれの地に招き入れるのは、東京に集中している政府機関であろう。
地方創生は、”東京一極集中”の是正、”首都機能の分散”を考える必要がある。
政府関係機関移転に関する道府県からの提案について
平成27年3月から各道府県等に対し、誘致の提案募集を行ってまいりましたが、同年8月31日が提出期限であったところ、42道府県から69機関について誘致の提案がありました。
つくば市議会の意見書
各都道府県の動きに対しつくば市議会は、つくば市内の政府機関の移転反対を決議している。
意見書案第6号 つくば市に所在する政府関係機関の地方移転に反対する意見書
上記の意見書案を次のとおり提出します。
平成27年9月18日
提出者 つくば 市議会議員 大久保 勝弘
賛成者 つくば市議会議員 五 頭 泰 誠
〃 北口 ひとみ
〃 塚 本 洋 二
〃 古 山 和 一
〃 小 野 泰 宏
〃 滝 口 隆 一
つくば市に所在する政府関係機関の地方移転に反対する意見書
国においては,東京圏への人口一極集中を是正するため,政府関係機関の地方移転を進める方針を打ち出しており,今般,つくば市に所在する政府関係機関について,各県から移転の要望を受けているところである。
世界に目を向ければ, Albany(アメリカ),GIANT(フランス),IMEC(ベルギー)等のように,戦略的に大学・研究機関等を集積させ,世界中から優れた人材,企業及び投資を呼び込み,新事業・新産業の創出や産業の国際競争力の強化に注力することが潮流となっている。
つくば市は,32の公的研究機関等が集積し,約2万人もの研究者が研究開発に従事する,我が国最大の研究開発拠点「筑波研究学園都市」を擁する。来年には,「G7茨城・つくば科学技術大臣会合」の開催が決定しており,国内外で注目を集めている。また,「つくばサイエンス・アカデミー」等による研究者間の相互交流も盛んである。筑波研究学園都市建設の閣議了解から約半世紀の歴史を経て,近年
は,自治体や機関間の連携が進んでいる。特に,次世代がん治療,生活支援ロボット,藻類バイオマス,世界的ナノテクノロジー拠点(TIA-nano)等の先進科学技術の産業化や世界的拠点化に官民一体で取り組む「つくば国際戦略総合特区」や,オールつくばで低炭素社会づくりに挑戦する「環境モデル都市つくば」,ロボットの実用化の促進や人材育成,ロボットを活用したまちづくりを行う「ロボットの街つくば」等の産学官が連携する取組が進んでいる。
こうした中,つくば市に所在する政府関係機関の移転は,これまでのつくばに関する政策を水泡に帰すことになるばかりか,世界の潮流に逆行するものである。
一旦移転すれば,今後,これほどの歴史と規模を誇る世界的拠点の再整備は事実上不可能となり,つくば市のみならず,我が国にとっても,取り返しのつかない損失につながることは明白である。
国の利益のためには,むしろ,つくば市にさらに政府関係機関を集積させ,前述した取組をさらに盛り立てていくことが必要である。
また,今回の政府関係機関の地方移転の目的は,東京圏への人口一極集中の是正ということであるため,東京圏ではないつくば市に所在する政府関係機関は,その対象とすべきではない。
よって,つくば市議会は,つくば市に所在する政府関係機関の地方移転について断固反対する。
以上の趣旨から,地方自治法第99条に基づき意見書を提出する。
平成27年9月18日
つくば市議会
提出先
衆議院議長 参議員議長 内閣総理大臣 文部科学大臣 厚生労働大臣
農林水産大臣 経済産業大臣 国土交通大臣 環境大臣 国務大臣
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